今回の講演者は、ニューヨーク
出身のTrevor LaClair さんです。
Trevorさんは、現在岡崎市内で
栄イングリッシュアカデミーを
運営されています。
また、OIA主催英会話教室の
講師も務められています。
今回は米国政治シリーズの
3回目として、「トランプから
バイデンへ」と題して講演を
いただきました。 |
米国の大統領選挙は長い期間
を要し、選挙の2年前から
始まる。バイデン氏は
ペンシルベニア州出身、
1972年より上院議員を務め
長い政治経験を持つ。
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バイデン氏は、3回目の
大統領選トライ。
今回水色州でトランプ氏に
勝利し大統領となった。
バイデン氏は78歳と高齢で
あるが、副大統領には若い
女性かつマイノリティの
ハリス氏を選んだ。 |
大統領選挙に不正があると
訴えるトランプ支持者が
選挙の最終決定を阻止しよう
として連邦議事堂に乱入した。 |
トランプ氏は在任中に2度弾劾
裁判にかけられた唯一の人。
下院では51%以上の賛成で
弾劾審議に進むことが可決
される。その後上院に移され
弾劾裁判となるが、有罪と
なるのは67%以上の票決が
必要。このためトランプ氏
の弾劾は否決された。 |
バイデン大統領は就任後すぐに
多くのエグゼクティブオーダー
に署名した。エグゼクティブ
オーダーは議会の承認を得ずに
実施できる政策。トランプ氏が
覆したオバマ氏の政策の多数を
再度復活させた。
パリ協定への復帰、移民政策
の変更、イラン対応など
歴代大統領の中でも異例に
多いエグゼクティブ
オーダーを発効した。 |
トランプ氏が積極的では
なかったコロナ感染防止の
ワクチン接種をバイデン氏は
強力に推進した。
トランプ政権時に比べバイデン
政権下では接種数は10倍に
増加。
現在ワクチン接種率が70%に
達する州が多くなっている。
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バイデン氏はコロナ禍による
経済的ダメージの回復策も
強力に推進。
1.9兆ドルの追加経済対策を
実施、アメリカ国民に一人
1400ドルの支援金を支給。
就任後、3か月間の労働者数
増加は歴代大統領の中で
バイデン氏が最も多い。 |
移民に寛容なバイデン氏は
トランプ氏の締め出し政策を
転換し、バイデン政権では、
メキシコからの入国者が急増
している。 |
バイデン氏就任後の最初の
ビッグイベントはG7会議。
イラン核合意協議への復帰、
ロシアによる選挙時の
サイバーアタック停止要望
など実施。 |
バイデン氏の大統領就任後の
支持率は歴代大統領と同等。
トランプ氏の支持率は40%と
低かったが、このレベル以下
には下がらず。 |
上院、下院での議席数はバイ
デン氏の民主党が優勢では
あるが余裕はない。
特に上院は50人対50人で同数。
これにハリス副大統領の1議席
を加えてかろうじて過半数。
下院も過半数ではあるが、差は
小さい。下院議員の任期は6年
で1/3ずつ改選される。次回の
改選は2022年であり、この
結果次第では勢力図が変わる
際どい状況。 |
法規の大きな変更には、上院で
半数の50ではなく60人の賛成が
必要であり現在の民主党議席数
では難しい状況。 |
首都ワシントンDCは特別区で
ありどこの州でもない。
しかし、人口は多く税金も
他の州と同様に払っている。
ならば51番目の州になっても
しかるべしとの考えもあり。
州になると上院で2議席を持つ
ことができるため、上院での
共和、民主の勢力図に直接
影響する。
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最高裁判決は、米国社会に
大きな影響を与える。
米国最高裁判事は9人で保守派、
リベラル派がある。
昨年大統領選直前に一人の
リベラル派判事の死亡に
伴い、トランプ氏は民主党の
反対を押し切り、保守派
判事を即刻強硬指名した。
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トランプ氏の弾劾裁判に際し、
共和党のCheney氏は造反して
賛成票を投じたため、党の
役職を解任されStetanik氏が
後任となった。
トランプ氏の影響力の例である。 |
次回2024年の大統領選に
トランプ氏は立候補可能か?
トランプ氏は2期大統領を
務めていないので規定上
立候補は可能。
2022年の下院議員選挙後、
活動が活発となるであろう。 |
講演後、Trevorさんは多くの
Q&Aを行ってくれました。
銃規制、バイデン氏の2期目の
可能性とハリス氏の可能性、
世界の警察としての米国の
ありかた、バイデン政権後の
米国民の日常生活変化など
多くの質問に対して答えて
いただきました。 |