今回の講演者はブルネイ出身の
Wong Seow Chuiさん(以下、ウォン
さん)です。
ウォンさんは大学卒業後、ブルネイで
弁護士をされていましたが、合気道と
出会い魅せられ、合気道の修練のため
1年の予定で来日しました。その後
ますます合気道を極めることに魅力を
感じ、日本在住を延長し現在10年目と
なりました。
当日は、民族衣装を着用し、前半は
ブルネイ、後半はご自身についての
説明をしていただきました。
ウォンさんが領事館で確認した
ところ、現在日本在住のブルネイ
出身者は32名、大部分が学生との
こと。 |
国名の後半は”平和の地”という
意味。国の広さは三重県並み、
人口は春日井市並み。
国は4つのディストリクトに分か
れており、首都のあるBrunei-
Muaraが最も小さいが人口の
3/4が集中している。
原油、天然ガス生産が主要
産業。シェル1社のみ。 |
国旗の色、中央のマークには
それぞれ意味がある。
一番上の旗と傘は王国を
示し、中央の手は政府による
福利、平和、繁栄を表す。
医療、教育費はほぼ無料。
手術が必要な重病患者は国が
マレーシアへの移送をアレンジ
してくれ、エスコート一人を
付けてくれる。 |
かつてブルネイはボルネオ島
全体を治めていたが、英国、
オランダの進出により縮小。
英国の保護国(植民地では
ない)となった。
1984年1月1日に独立したが、
記念日としては同年2月23日。
現在の王は29代のハサナル・
ボルキア王で、総理、経済、
防衛大臣も兼任。 |
主たる産業は原油および天然
ガス生産でGDPの58%を占め、
サービス業が36%。 |
航空会社は1974年に設立された
国営会社。
成田からの直行便があり、所要
時間は約7時間。
国王はパイロット資格も持って
おり、毎週土曜日には飛行を
楽しんでいる。 |
ブルネイは小さい国なので、
鉄道は無い。移動に便利なのは
車。車でなければバスも利用
できる。運賃は1ドル。時刻表
は無い。水上タクシーもあり、
運賃は50セント。
通常のタクシーは高価。 |
ブルネイの手工芸品は、
織物や銀製品。 |
ブルネイは海岸線があるため、
料理ではシーフードが豊富。
ブルネイ特有のアンブヤは
タピオカに似た、餅の
ような食べ物で箸で食べる。
ナシレマは朝食として一般的。
パームシュガーで作った
デザートもあり。 |
首都にあるオマール・アリ・
サイフディン・モスク。
2つの国立モスクの一つ。
エココリドウパークと呼ばれた
公園と一体となっており、
遊歩道としての橋を歩いて
行ける。
28代の王を記念して28のドーム
が造られている。 |
もう一つの国立モスク。
ジャメ・アスル・ハッサナル・
ボルキア・モスル。
29代の王にちなんで命名。
大理石で装飾された巨大な
モスク。5000人を収容でき、
5つの噴水がある。見学ツアー
も可能。中に入る際には黒い
ローブを着用する。 |
動画では美しいモスクの内部
が見られた。
ツアー客、祈りを捧げる信者が
見られた。
|
ウォータービレッジ周辺の
サファリツアー。
ウォータータクシーで観光
できる。運賃は20ドル程度で
あるが交渉可能。
マングローブ地帯では特有の
サルが見られる。クロコダイル
やヘビを見ることもあり。 |
ウォータービレッジ。
火事により焼失し新しくなった
建物が多い。
近代の設備が供えられている。
しかし、古いままの家では
トイレは単なる穴だけ。
ツアーではない通常の移動の
ボート運賃は50セント。 |
現国王の即位25周年を記念して
建造された王室ミュージアム。
王室が所有する宝物や、日本を
含む各国からの寄贈品が展示
されている。
|
ベラロング国立公園。
キャノピーウオークが楽し
める。
ブルネイマウラとタンブロング
2つのディストリクトの間に橋が
建立され交通の便が良くなった。 |
ブルネイの主要産業、セリアの
天然ガスプラント。
政府とシェル、三菱の共同
事業。
天然ガスの70%は日本へ輸出
される。
石油10億バレル生産のモニュメントや稼働中の石油採掘ポンプ
が見られる。 |
ウォンさんの家族。
3人の兄弟はそれぞれスポーツ
が得意で、国内上位レベル。
特に2番目の兄はテニス選手で
国内トップレベル。
学校制度は英国を基本にして
おり授業は英語で行われる。
学校は12:45に終わり、その後
は他の活動に費やされる。
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ウォンさんはロンドンで大学
卒業後、ブルネイに戻り弁護士
として働いた。8年後、合気道の
修練のため1年の予定で日本へ
来られた。 |
ウォンさんは趣味として
スキューバダイビングも
楽しむ。 |
ウォンさんは2007年に合気道
を始めた。
2008年にブルネイが和歌山県の
田辺で行われた合気道の国際
大会に参画した。これが機会と
なり訪日。
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日本滞在は1年の予定であった
が、その後も延長し現在に至る。
ウォンさんは2年間日本語学校で
日本語を勉強し、現在は名古屋
栄の英語学校で英語教師をして
います。
住まいは、気守道場のある
春日井市。 |
春日井市の気守道場での朝
稽古。
動画では投げた時に大きな音が
するが、受け身を適切にして
いるため痛くはない。 |
澤田師範による合気道のデモン
ストレーション。
合気道は攻めるのではなく、
自衛の技、相手の力を使って
技をかける。 |
ウォンさんは合気道を極める
ため、期限無しに日本に住む
ことを決めました。
その後、合気道の知り合いから
現在のご主人を紹介され、信頼
しあえるパートナーとなり
結婚されました。
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講演では、スライドと動画に
加え、板書での説明も併せて
説明いただきました。 |
公演の後、合気道と柔道、隣国
との関係、海外留学、貧困問題
、将来人口などについて、
盛んな質疑応答が行われました。 |