今回の講師は、オーストラリア出身の
Sarah Linekerさん(以下セラさん)
です。
セラさんは愛知県在住17年。
講演では、日本在住に至るご自分の
歴史、ホームタウンであるポート
ランド、オーストラリア、英語習得に
ついて、興味深い話を盛り沢山紹介
していただきました。
ポートランド出身というと米国の
ポートランドと思われることが多い
そうですが、世界にはこの地名が
14か所あるそうです。
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セラさんは、5年生の時に日本
から訪れた教師に日本語を
習ったことなどから、
日本文化に興味を持つように
なり、高校では日本語を習得
した。
10年生の時に学校の旅行で
初めて日本(京都)を訪れた。
それはまた初めての海外旅行
であった。
ぜひ日本をまた訪れたいと
考え、1年間の交換留学生と
して愛知県(旧)津島女子
高校で学んだ。 |
オーストラリアに戻り高校
卒業、バララット大学で
2年間勉強した後、ワーキン
グホリデービザにて名古屋を
訪れ、英会話学校の教師と
して18か月滞在。
オーストラリアに戻った後
日本語を使う仕事をするため、
日本人旅行者が多いケアンズ
に移った。
大学も当地のジェームス
クック大学に移った。
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大学卒業後JETプログラムに
参加し、岡崎市にて4年間
仕事を行った。
岡崎市役所国際課にて通訳や
翻訳業務のほか、OIA主催の
英語関係のセミナー、イベ
ント対応を行った。
2005年にJETプログラムに
参加して以来、現在愛知在住
17年となった。
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JETプログラムを終えた後も
岡崎市に留まり小学校で
英語教師(ALT)として
5年半働いた。
その間、自身の英会話教室
をLibraにてスタートした。 |
結婚後は阿久比町へ転居し
たが、小学校教師とLibra
での英会話教室を継続した。
子供が生まれて以降は、Libra
と阿久比での英会話教室を
続けた。教室は時には子供
連れで実施。
現在お嬢さんは6歳と4歳。
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セラさんのホームタウン、
ポートランドはオースト
ラリア南東ヴィクトリア州
の南西部に位置し、州都
メルボルンから西方約360㎞。
東京・岡崎間とほぼ同じ距離。
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ポートランドは古い歴史を持つ
町。バッジ、ビム世界遺産
は原住民が定住した最も古い
ものの一例。
少なくとも6600年前から水産
養殖(ウナギの1種)が営まれ
ていた。 |
この地方の原住民の生活は他の
地域とは異なっていた。それは
寒い気候による。動物の皮で
毛布や敷物を作った。
また、ゲンディジマーラ人は
木や芝で住居の小屋を作った。
石器の道具が使われた。 |
欧州から移住者が訪れると
原住民との戦いが起きた。
それは1830年代から1860年代
まで続いた。
この戦いで原住民は最大
6500人、移住者は約80人が
死亡したと推定された。
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2007年連邦裁判所は、14万
ヘクタールの土地と水をゲン
ディジマーラ族のものと
認めた。
2011年にはさらに4千ヘク
タールが追加された。 |
ポートランドは美しいビーチ
と景観に囲まれた海沿いの
小さな町。
人口は約1万人、オースト
ラリアで最も繁華な港の
一つ。 |
ポートランドは漁業が盛ん。
様々な漁獲があり、約3千万
ドルの輸出と町への収益を
もたらす。
また、アルミ精錬所はオー
ストラリアで3番目の規模。
風力発電も南半球で最大
規模の一つ。 |
観光業も重要産業の一つ。
250㎞に及ぶウォーキング路が
あり、森、川、崖、湾の景観
が楽しめる。
公共交通機関ではない旅行者
用トラムがある。 |
この地方では様々なスポーツが
盛ん。
フットボール、ネットボール、
クリケット、ゴルフ、ホッケー
、サッカー等。 |
日本と夏、冬は逆である。
ポートランドでは夏の暑さも
冬の寒さも厳しくはない。
冬に雨が多いが、雨量は
岡崎の半分程度。
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オーストラリアは6つの州と
2つのテリトリーからなる。
政治制度は連邦議会立憲
君主制度。
人口は約2600万人、国土は
日本の約20倍。
オーストラリアの人口密度
は日本の約1/100。 |
スコット、モリソン首相と
エリザベス女王。 |
首都はキャンベラ、その他の
大都市は、シドニー、メル
ボルン、ブリスベン、
パース、アデレード。 |
オーストラリアには移民系の
人が多く、その割合は30%
近く、それは主要西欧国の中
で最も高い。 |
オーストラリアは世界13番目の
経済規模、個人収入は世界
10位、軍事費は世界13位。
オーストラリアの暮らしの質、
民主化、健康、教育、自由経済
等は高いランクにある。
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今月オーストラリアでは議会
選挙が行われる。
主要な争点は、コロナ対応、
予算と経済、税制、気候変動
対応、国境問題、健康、教育、
その他。 |
英語習得についてのキーポイ
ントは、毎日英語に触れて
いること。
セラさんのお嬢さん二人は
日本の通常の幼稚園、小学校
に通っているが、上手に
英語を話す。
それは生まれた時からセラ
さんがが彼女たちに対して
英語を話し、彼女たちは英語
を聞いて育ったから。
現在はPC、スマートフォン、
TVなどで英語はいくらでも
聞くことができる。
毎日英語に接することが重要。
また、言葉だけでなく文化の
習得も併せて。
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Q&Aの冒頭で、セラさんから
アメリカとオーストラリア
英語の違いの説明があり
ました。
単語自体の違い、スペルの
違い、発音の違いなど。 |
大人に英語を教える上での
難しい点は→その人が英語勉強
に十分な時間を持てないこと。
初訪日時の体験→うどん屋で
英語メニューがなかったため
外の見本を指さして注文した。
コーヒーに入れるミルクを
フレッシュというのに驚いた。
その他、ダジャレやジョーク
なども話していただきました。
盛りだくさんの興味深い話
ありがとうございました。
(文責、人材育成部会
ボランティア 中野一男)
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