子どもワールドレクチャー 2023年8月
公開日:2023年08月08日 最終更新日:2023年08月12日


毎年8月に開催しています「子どもワールドレクチャー」を、6日にリブラにて開催しました。
約50名の親子の方々が参加され、3人の外国人講師から、それぞれの国や人に関わる話を日本語で
説明していただきました。
3人の外国人講師は、ヤマサ言語文化学院で日本語の勉強をしておられます。

最初の講師は韓国系アメリカ人のエリックさんです。
今回はエリックさんの小学校時代の経験を踏まえ、韓国の小学生の教育事情について講演して下さいました。
エリックさんは昨年も別のテーマで、子供ワールドレクチャーで講演をしてくださいました。
また、3月にはマンスリーイングリッシュサロンにて講演もしてくださいました。こちらは英語での講演です。
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韓国は日本の隣の国。首都はソウル、通貨はウォン、国花はむくげ。
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エリックさんはアメリカ西海岸カリフォルニア州、ロサンゼルスの少し南のハンティントン・ビーチで
生まれ育ちました。
12歳の時、大学教授のお父様の仕事の都合で、急に韓国のデジョンに転居することになりました。
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ハンティントン・ビーチとデジョンの町の様子の違い。ビーチ沿いの町とビル群の町。
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エリックさんはハンティントン・ビーチで育っていましたのでアメリカ人としての生活でした。
急に韓国に転居し、韓国の現地小学校に通うことになったため、韓国語が十分分かるわけではなく、
学校での授業には苦労し、成績もあまり良くはなかった。
当時の学校では体罰もあり、エリックさんも体罰を受けました。
体罰は2011年以降はなくなりました。
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小学校の教室の様子。前方の壁上には韓国国旗、床には教壇がありました。
エリックさんは韓国の小学校で18か月過ごしました。
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韓国は英語教育に熱心。教育にかけるお金の上位二つは英語と数学で、この二つが突出している。
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ソウルの中にある地下鉄駅の近くを検索すると、20か所近い塾があるのが分かる。
半数以上が英語の塾。多くの子供が塾に通う。
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韓国は大変な学歴主義社会。カンナムという富裕層が多い町の小学生は、2時半から7時までの睡眠時間
以外は全て勉強という生活の子もいる。韓国トップ3の大学入学を狙うにはこういう生活の子もいる、
一方で死んでしまう子もいる。
韓国の子供は世界で最もストレスを感じているという調査データもある。
一方通行の教育や少ない自由時間生活は、学生の創造力向上をさまたげると警鐘をならす識者もいる。

二人目の講師は、フィンランド出身のササンさんです。
納豆とコーヒーが好きだそうです。
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フィンランドの首都はヘルシンキ、通貨はユーロ。
ロシア、スウェーデ、ノルウェー、エストニアと接している。
ササンさんの出身地はトルニオ。
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フィンランドの色々な言葉、あいさつや、1月から12月までのフィンランド語での意味など説明を
していただきました。
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フィンランドの冬、最低気温は-30℃、北の方では-40℃になることも。
昼間でも太陽がほとんど出ない時期がある。
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ササンさんのご両親の家の冬の景色。
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フィンランドの冬の景色。この写真は昼の1時半ごろの景色。
太陽が一日ほとんど出ない。
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だれもが見たいオーロラ。
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夏の景色。この写真は夜11時のもの。夏はほとんど太陽が沈まず、一日中暗くならない。
そのため眠りにくい。
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夏は緑も多くなり、美しい景色が見られる。

3人目の講師は、アメリカ出身のカテラさん。
日本のマンガと味噌カツが好きだそうです。
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カテラさんが取り上げたテーマは、黒人の髪です。
黒人の髪の質は特有のもので、黒人のアイデンティティを示すものの一つ。
カテラさんは黒人の文化を知ってもらうことの一つとして、今回髪を取り上げました。
カテラさんは黒人の髪に誇りを持っています。
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黒人のヘヤースタイルには4種類あり、カテラさんが好きなのはドレッド(左下)だそうです。
民族性に基づくもの、人種差別に対する意識を示すものなどあり。
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黒人の髪は上向きに生えるので、頭皮からのオイル分が届き難く、ヘアケアをしないと髪が痛みやすい。
髪の摩擦を減らし、オイル分の補給が肝心とのこと。
カテラさんも水分とオイル分の補給を毎日行っているそうです。
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昔のアフリカでは、黒人の髪はアイデンティティの象徴であり、部族、社会的地位、家族の血統を象徴。
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一方で、黒人の髪は人種差別の一因子でもあった。
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カテラさんは、黒人の文化を多くの人にもっと知ってもらいたいと思っている。
今回、こういう場で講演を引き受けたのも、そういう活動の一環です。

熱心に説明に聞き入る親子の皆さん。

列を作ってエリックさんに質問する子ども達。

ササンさんへの質問。

カテラさんへの質問。

前年までに比べ、今年は大勢の参加をいただき熱心に聴講していただきました。
また聴講だけでなく、盛んな質疑応答、さらに休憩時間にも各講師に対して個別の質問も多く、
有益なイベントになったことと思われます。
3人の講師の皆さん、日本語での講演ありがとうございました。
(文責 人材育成部会ボランティア 中野一男)