マンスリーイングリシュサロン 2023年10月 ナイジェリア
公開日:2023年10月03日 最終更新日:2023年10月06日
今回の講師はナイジェリア出身の Aliyu Mudassir Magaji さん(以下、アリユさん)です。
アリユさんは、昨年3月に来日、現在生理学研究所にて研究活動をしています。
ナイジェリアに似た食べ物があるそうで、日本のたこ焼き、焼きそば、お好み焼きが好物だそうです。
日本人にはあまりポピュラーではないナイジェリアの興味深い話をしていただきました。
今日、10月1日にナイジェリアについて講演できるのはワンダフルです。
なぜならば10月1日はナイジェリアが英国統治から独立した記念日です。
アリユさんは、昨年東京で行われたナイジェリア・日本のイベントに出席し、ナイジェリア大使の
松永一義氏と面会しました。
ナイジェリアと言うと、アフロ音楽、サッカー、危機、インターネット詐欺などを思い浮かべる人も
いると思いますが、科学や技術面でも優れた実績があります。
ウスマン・ダンフォディヨ大学と他の研究機関でCOVID-19用のワクチンも開発しました。
ビジネスの面では、Alikko Dangote という世界で最もリッチな黒人がいます。
彼はセメントや食品事業からオイル、ガス事業までビジネスを展開しています。
ダンゴート・グループの石油精製所。
ナイジェリアは最大の黒人の国で人口は約2億人、アフリカで最大の経済国。
500の言語と300の民族グループがある。
ナイジェリアの紙幣の一つ。4人の人は各部族から来た人および女性でありナイジェリアの多様性を
象徴している。
WA ZO BIYA は 英語のComeの意味であり、訪れる人に友好的であることを示す。
ナイジェリアは、東からのBenue川と、西からのNiger川とで南北に分かれます。
北側には、Hausa族とKanuri族のエリア。南側西部にはYoruba族、東部にはIgboその他の
部族のエリアとなっている。
ナイジェリアのGDP1位は農作物。
製造業・サービス業とオイル・ガス産業がそれぞれ農作物の約半分。
GDPの伸び、経済は良好な状況にある。
ナイジェリアの首都、アブジャの様子。
ナイジェリアの料理3品。
(左)ライスと野菜を一緒に煮込んだもので、アリユさんの好物。
(中)ライスとその他の食材を一緒にして料理したもの。バーベキューをサイドディッシュとして共に。
(右)麦粉または米粉をチリソースで味付けして焼いたもの。日本のたこ焼きに似ている。
それでアリユさんはたこ焼きが好きです。
西アフリカの他の国でも同様の料理がありますが、ナイジェリアのものが一番だそうです。
次にドリンク、3種。
(左)米粉から作った飲み物。昔はアルコール入りの酒であった。
(中)ハイビスカスジュース。
(右)タイガーナットミルク。
アフロ音楽には色々なことの表現がある。
苦痛、人間の尊厳、至福、愛、幸福や悲しみ、食べ物など。
アリユさんの好きな音楽は、Lukuti で食べ物についての曲です。
次にアリユさん自身についての説明。
日本とナイジェリアは、日本が東の端にあり、ナイジェリアが西の端にあるような位置関係です。
それでアリユさんは、日本を日の出る国、ナイジェリアを日の没する国と冗談で表現します。
昨年3月に来日し、生理学研究所にて温度が生物に及ぼす影響について研究を進めています。
これはその一つの例。ショウジョウバエの体の色は、太陽から受ける熱を適度にするため、夏と冬の
温度変化により変わることが分かっている。
このような温度と生物の関係を探る生物学を推進するため、アリユさん達は色々な実験装置を使い
研究に邁進しています。
アリユさんの標準的な一日の過ごし方。
平日は9時半ごろから研究室で夜まで研究、夕食後また深夜まで研究。
週末は、スポーツやイベント参加など。
ナイジェリアのホームタウンの様子。
町は小さい範囲に集約されており、周りは砂漠に囲まれている。
小学校や高校にあたる学校、小規模ヘルスケアセンターなどが見られる。
住人たちの様子。特色のある帽子や、この地方で作られる売るためのカラフルな容器。
若い男たちは西アフリカを広範囲に移動する。
ハウサ語は約1億5千万人が話す言語であり、アフリカではスワヒリ語に次ぎ2番目に多く話される
言語である。世界では11番目に多く話される言語。
しかし、Aliyu Bunza 教授は、ハウサ語は西アフリカ以外でもはなされており、約3億人が話し、
世界で3番目または4番目に多く話される言語と推計している。
ナイジェリアで行われるセレモニー。
(左)年2回、雨季と乾季に行われる伝統行事。叩かれることに対して最も我慢強い勝者を選ぶとともに、
女性にとっては夫としての選択も行われる。
(右)するどいナイフを使って行われるセレモニー。
するどい物で切られることのない強靭さを持つと信じられる。
18世紀にウスマン・ダン・フォディオが現れハウサ王朝の政策を批判した。
ウスマンは、表現の自由、共同体の自由、重税の軽減、女性への教育などを主張し支持者が増えた。
ウスマンは1804年に戦いを起こし、後のフラニ・ジハードへと進展した。
彼は数年でナイジェリア及び一部の他国も含めて制圧した。
ウスマンは31以上の首長国を含むソコト帝国を建立し、最初のソコト皇帝となった。
彼は教育に熱心であり、生涯で92冊の本を書いた。
彼は生涯で13人の妻と37人の子供を持った。
ウスマンと徳川家康の共通点。
・平和と繁栄に向けて人々を団結させる力。
・優れた軍事力と管理能力
・いくつかのポリシーでは、厳し過ぎると批判を浴びた。
過去の人の功績を後世に伝え啓発する方法の一つは、その人の名前を何かに付けることです。
ウスマン・ダンフォディオ大学はその一つ。
アリユさんはこの大学を卒業しました。
講演の後、Q&Aが行われました。
ナイジェリアあるいはアフリカの料理、この近辺にそれらのレストランがあるかどうか?
日本にはナイジェリアからどのくらいの人がきているか?
アリユさんの名前の意味? など盛んな質疑が行われました。
アリユさん、講演ありがとうございました。
アリユさんの講演に熱心に聞き入る参加者の皆さん。ご参加ありがとうございました。
講演の後、来年1月に講演をして下さるマイケルさんの自己紹介もしていただきました。
(文責 人材育成部会ボランティア 中野一男)