マンスリーイングリッシュサロン 2025年1月 ボリビア
公開日:2025年01月07日 最終更新日:2025年01月10日
2025年最初の講師は、ボリビア出身の Jonathan Israel Alarcon Ramos さん(以下ジョナサンさん)です。
長い名前ですが、ファーストネーム、ミドルネーム、母親のファミリーネーム、父親のファミリーネームと
連ねるのがスパニッシュとラテンアメリカの伝統だそうです。
ジョナサンさんはボリビアのラ・パスにあるサン・アンドレス大学で政治科学を専攻し、現在は名古屋大学にて
国際開発の修士課程の勉強をしています。
ジョナサンさんはSF作品の熱心なファン、特にアイザック・アシモフ氏のファンで著作のコレクターです。
ジョナサンさんはコロナ禍の間にYouTubeチャンネルを開設しました。ぜひ見て下さい。ただしスペイン語です(笑)。
またギターを弾くのも趣味。ボリビアについて人々に話をすることも楽しみです。
ボリビアは南米の中央に位置し、かつてはスペインの属領であったが、1825年に独立した。
シモン・ボリバルが南米の多くの国を解放したことを称え、国名をボリビアとした。
ボリビアの地理は多様である。西の山岳地帯は、世界でも人間が居住する最も高地の一つである。
山の高さは7000mにも達し、風景は別世界のようにも見える。
国の中央エリアは谷であり気候は穏やか、標高も低く平均1800m。農耕地が広がり、ワインも生産される。
全体の2/3を占める他のエリアは平原である。沖積平原、沼地、洪水による低地、熱帯雨林など。標高は平均400m。
ボリビアの面積は約110万㎢、人口は1200万人。多くの人種グループと文化を持つ。
大きくは3つに分類される。先住インディアンと欧州人の混血子孫のメスティーソが約68%。
36種の文化を持つ先住民族が約20%。これらの民族は独自の言語を持つが多くがスペイン語も話す。
他の約12%が欧州、アジア、アフリカ系の子孫。これには日系人も含まれる。
日系人ではジョージ・ヨシダが1957年に監督銀行のプレジデントとなり、彼のサインは全ての紙幣に記載されている。
ボリビア東部にはオキナワという有名な町がある。
ボリビアの文化は多様で、服装、伝統、宗教、言語などさまざまである。しかしスペイン語はボリビアのどこでも
話される。宗教はカトリックが約76%。最も重要な伝統行事はカーニバルである。
カーニバルは宗教的、民族的、文化的フェスティバルである。
最も代表的なものはオルロカーニバルで、ディアブラダダンスは2001年にユネスコ無形文化財に指定された。
モレナダは神と悪魔の戦いを表しているが、それはまたボリビアの植民地の歴史をも反映している。
最も伝統的なダンス、モレナダはスペイン植民地時代に、銀鉱山で働かせるためにアフリカから連れてこられた
奴隷の踊り。仮面から出る舌は長時間銀鉱山で働かされる苦痛を表す。
ラマラダは田舎の生活やラマなどのアンデスの動物を祝う。ティンクは戦いの儀式の踊り。
アラシタフェアは手芸ミニュチュア品のフェアで、それぞれの物が現実となることを願う。
原住民の神エケコがシンボル。家財品、食べ物、コンピューター、建材、携帯電話、家、車、大学卒業証書など
あらゆる物のミニュチュアが展示される。
アラシタフェアは毎年1月24日に、主にラ・パスで開催される。
食べ物についても、先住民の美食と人口の多い都会の人への適用により様々な料理がある。
ソパ・デ・マニはピーナッツベースの濃いスープ。上に薄いフレンチフライとパセリをのせる。
サルテーニャは焼いたミートパイのようなもの。中にビーフまたはチキン、少し辛いソース、レーズン、ポテト、
時には卵などを入れる。サルティーニャを食べるのは午前中のみ。
アピ・コン・パステルは紫コーンの粒から作られた温かく、甘い、濃い飲み物。揚げた具入りのパンとともに食される。
ボリビアの高地地帯で伝統的に食べられる料理。
サフタ・デ・ポヨは、乾燥したポテトをパン粉でまぶして揚げたものを入れたチキンシチュー。
ボリビアには様々な文化と地形があり、訪れるべき美しい場所が多い。
代表的なものはウユニ塩田。世界最大の塩田で約11000平方㎞、関東圏と同じぐらいの大きさである。
雨季には浅い湖となり、世界最大の自然の鏡となる。
この湖は、数千年前にアンデス山脈が海底から隆起した際に、大量の海水がそのまま残ったもの。
乾燥した気候のため海水は干上がり塩田となった。世界で最も平らな場所である。
ティワナク遺跡はボリビアで最も古い遺跡。ティワナク遺跡はインカ帝国よりも前の時代のものであり、
どんな言語が話されていたか分かっていない。
石像は一つの岩から作られており、最大のものは7.2mもある。
行政上の首都はラ・パス。230万人が住み世界で最も標高の高い首都である。平均標高は3600m。町の中を大きな
谷が走っており、アンデス山脈に囲まれている。この地形のため地下鉄の敷設は不可能であり、ラパスでは
世界最大のケーブルカーシステムを持つ。現在10ラインが町を横切る。
議事堂、大聖堂、大統領宮殿。
スクレは歴史的首都。ハウス・オブ・リバティでは1825年に独立宣言がサインされた。
ラ・ガロリエタ城は、ラ・ガロリエタ家王子、王女の居住した城であり公国とされた。
サンフランシスコ大学は1624年にスペインのフィリップ王4世によって創立された。
カル・オレコは世界最大の恐竜の足跡を含む古生物サイト。少なくとも15種を含み約1万の足跡が見られる。
マディディ自然公園はボリビアアマゾンジャングルに位置し、数千の動物、植物が生息する。
チチカタ湖はボリビアとペルーの間アンデスに位置し、船が行き来する世界最高標高の湖である。標高は3812m。
チチカタ湖に突き出たコパナバーナは魅力的な町。この町には美しいコパカバーナ大聖堂がある。
この町からフローティングアイランドへの船が出る。
フローティングアイランドは全て葦でできており水上に浮いている島。ウロス族の人々が何世代も住み独特の生活
様式を続けている。
また近くには太陽の島があり、太陽の神の生誕地としてインカ神話で伝えられている。
講演のあとジョナサンさんは多くの質問に答えてくれました。
ボリビアは標高が高いため水は100℃ではなく80℃で沸騰する。平地でコーヒーを飲むと熱くてビックリする
そうです。鍋の煮物の温度が低いので料理には時間がかかるそうです。
ボリビアでサッカーの試合をすると、ボリビアのチームは有利だそうです。標高の低い土地から来たチームは
ただでさえ息苦しい上、高地ではボールの動く速度が速くなるため慣れていないという理由です。
ウユニ塩田にはすべて塩でできたホテルがあるそうです。床も壁もベッドもテーブルも全部塩です。
ジョナサンさん、興味深い沢山の話ありがとうございました。
参加者のみなさん、ご参加ありがとうございました。
お立ちのお二人はジョナサンさんのお友達。
(ホームページ担当 人材育成部会ボランティア 中野一男)