マンスリーイングリッシュサロン 2025年10月 中国(広州)
今回の講師は中国出身の KE Han さん(以下、ハンさん)です。
ハンさんは基礎生物学研究所にて研究を進めている特任助教授です。趣味は登山やクライミングだそうです。
今回は出身地の広東省広州市について、文化、言語、人、食について興味深いお話をしてくださいました。
ライオンダンスと食を愛する人の町、広州市。
広州市は中国の南部、香港の北方に位置する。香港から列車で1時間。
香港のすぐ北は深圳、西にはマカオがある。深圳と広州は新幹線で結ばれている。
島の間は船で行き来できる。
ハンさんは広州市で生まれたのではなく、大学卒業後社会人としてここで8年間生活した。
広州は広東省の州都であり、人口は1,800万人で東京のコアエリア1,4000万人より少し多い。
広さは7,000㎢で愛知県の約1,5倍。広州の中央には大きな河、珠江 (Pearl river) が流れている。
広州タワーは夜間照明でカラフルになる。
気候は湿度が大変高い。8か月間ぐらいが夏で30℃ぐらいになる。夏に台風は来るが、雨は大量ではない。
秋は短くすぐ冬になるが、冬でも10℃程度。冬も湿度は高く寒く感じるので電気毛布などを使う。
広州は中国南部のゲートウェイ。伝統的な建築と近代的建築が混在する。
珠江 (Pearl River) に沿って町が造られた。
ショッピングセンターの外観は美しい。ビル全体が赤く塗り直され、装飾もされた。
広州タワーからは街全体を見渡すことができる。
ライオンダンスは南部、北部あるいは地域によって違いがある。
軍における訓練としての格闘技が起源。
ライオンダンスは新年の祝い、フェスティバル、結婚式、店の開店祝いなどで披露される。
動画で興味深いライオンダンスを見せていただきましたが、本ホームページ上で掲載できない
のが残念です。
ライオンの中には2人の人が入り一緒に踊り演技をします。
ライオンの顔はまばたきできる大きな目を持っています。
邪気を払い幸運を呼び込むダンスです。
ライオンダンスは高いポールの上で演技されることもあり、2人の人が高度な技術で調和をとり
ポールの上を巧みにジャンプしながら踊ります。こちらも動画をお見せできないのが残念です。
広東語は8000万人以上の人々によって話される。発音や表現にバリエーションが多い。
香港映画の多くは広東語である。
中国標準語のマンダリンと広東語は大きく異なるので、それぞれの言語の人が相手の言葉を
理解するのは難しい。
欧州での各国の言語、英語はドイツ語やラテン語から起きている。イタリア語とスペイン語の人が
互いの言葉が分からないように、マンダリンと広東語も同じ。長い期間その地に住み、努力をすれば
その言葉が理解できるようになる。
広州の人々は実用的なものを好み、豪華なものよりも実質的価値のあるものを好む。
樹脂製スツールやサンダルなどがその例。
東京で中国人留学生を見かけると、豪華ブランドの洋服を着て高価なものを買っているかも知れない。
広州の人たちはそうではない。広州では暑いので、Tシャツとスリッパが好まれる。
雨が多い広州では、スリッパは雨に濡れてもすぐ乾くので便利。
樹脂製スツールは耐久性があり、安価、重ねられるので収納も場所を取らない、移動も軽くて楽。
広州の人は食を重要視し最もプライオリティをおく。
素材の新鮮さが重要であり、新鮮でないものは食べない。魚もチキンも野菜も新鮮さが大事。
マクドナルドは底辺層の人に受け入れられる。
ディナーの食事。お茶、チキン、蒸し団子、ヌードル、シーフード、野菜など。
料理を食べながら話をすることを楽しむ。
レストランはいたるところにあり、道端の店からミシュラン星の店まである。
美味しいチキンを食べるために3時間のドライブをすることもある。
シーフードレストランでは店の外の水槽に生きた魚を持っている。それらを注文して客が好むように
料理を頼むことができる。
赤いスツールに座っている客が見えるが、椅子は問題ではない。美味しい料理を食べられることが重要。
ハンさんの好きな場所。陳氏書院。72人の陳氏一族の子孫によって1890年から1894年に建てられた。
多くの素晴らしい彫刻と伝統的な広東の建築様式が見られる。
西漢南越王博物館。広州のダウンタウンにあり、南越王の墓と埋葬品が見られる。
王の服は小さな玉が美しく縫い付けられたもの。
広州には外国人の租界地であったため、その人たちのために建てられた洋風建築物が多く残る。
(左上)沙面島には多くの西洋建築が存在する。露徳天主教聖母堂。
(右上)聖心大聖堂。カトリックの教会。
(左下)大沸寺。多くの寺は午後5時に閉まるが、この寺はショッピングエリアなどの賑やかな場所に
あるため、遅くまで開いている。
ハンさんが広州について誇れること。
豊かな伝統と近代的生活、温かくて実質的な人々、揺るぎない食文化。
広州は他社会からの多くの人にオープンです。価値を分かち合い、一緒に住むことができる。
広州市の小さいエリアにはアフリカから来た人々が居住するところがあります。彼らは物を作りビジネスを
して生活している。
講演の後、ハンさんは多くのQ&Aに対応して下さいました。
ライオンダンスの踊り手について、言語のこと、中国への旅行、中国茶について、研究ワークのことなど。
聴講の皆さま、ご参加ありがとうございました。
(ホームページ担当 人材育成部会ボランティア 中野一男)
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