ﾏﾝｽﾘｰｲﾝｸﾞﾘｼｭｻﾛﾝ　2023年2月　アメリカ（オハイオ）

今回の講師は、アメリカ、オハイオ州出身のMatthew Rolfe さん（以下マットさん）です。

マットさんは。ヤマサ言語文化学院で日本語の勉強をしており、ご自身は英語の教師です。

マットさんはニューイングランドのコネチカット州で生まれ、オハイオ州に転居しオハイオ州で

育ちました。

昨年８月には、キッズワールドレクチャーの講師（日本語で講演）も担当してくださいました。

 

マットさんはシンシナティで１０年暮らしました。

シンシナティにはクィーンシティというニックネームがあります。Qの文字の左に立つのはマットさんです。

マットさんはここでソーシャルワーカーとして障害者の援助の仕事をしました。

その後、ピザ販売の仕事も。ピザ会社が毎年フリーコンサートを開催するので、ボランティアとしてピザ

マスコットの着ぐるみを着て踊ったり。着ぐるみの中は大変暑いにもかかわらず、洗濯をしないので大変汗臭いそう。

 

オハイオ州は米国で３４番目の大きさ。しかし北海道の1.6倍もある。

オハイオ州の最大の農産物はトウモロコシで、19億ドルもの売り上げがある。

 

オハイオ州で有名なことは、世界最初の飛行機を発明したライト兄弟。

また、25人もの宇宙飛行士を輩出、宇宙飛行回数は78回にも及ぶ。写真はニール・アームストロング宇宙飛行士。

Amish Country というキリスト教宗教団体の生活エリアがある。彼らは電気、機械、車などの文明を使わない生活を

いとなんでいる。1年間一般の社会へ出て生活し、戻るか否かは本人の選択だが、戻ってくる人が多いそう。

 

マットさんが卒業したザビエル大学とシンシナティ大学。

ザビエル大学はキリスト教系の大学。

マットさんは、2009年から2019年まで10年間大学で勉強し、ご両親には多大な費用負担をかけたそう(笑)。

 

オハイオ州では、プロスポーツよりもむしろ大学対抗スポーツの方が人気がある。

バスケットボールとアメリカンフットボールが盛ん。

ザビエル大学とシンシナティ大学のバスケットボール試合は熱狂的になる。

2011年の試合では、暴力的騒ぎとなり、その後「Shootout」という名前が変更された。

マットさん自身はスポーツよりも音楽が好きだそう。

一般の人のバックヤードでの遊びとしては、「cornhole」 がある。穴の開いた傾けた板に向けて、

コーンを詰めた布袋ボールを投げ込む。ボールが板に載れば1点、穴に入れば3点となる。

 

プロスポーツとしては、野球のシンシナティレッズとアメリカンフットボールのシンシナティベンガルズ。

シンシナティレッズには秋山翔吾が所属していた。現在彼は日本に戻り広島カープに所属。

広島カープのCのマークは、シンシナティレッズのマークとそっくり。シンシナティレッズのパクリ？(笑)。

 

シンシナティで開催されるオクトーバーフェスは、ドイツ、フランクフルトに次ぐ世界第２位の規模。

50万人の人が集まる。2021、2022年はフランクフルトでは開催されなかったので、シンシナティが世界１だった。

ジョッキでのビール運び競争、ハンバーガーの早食い競争など様々なイベントが開催される。

オクトーバーフェス用の各種の食べ物も供される。マットさんは酸味のものは苦手だそう。

オクトーバーフェスにはマットさんも毎年訪れていた。

 

「Flying Pig マラソン」が毎年開催される。フィニッシュラインは「FINISH SWINE」 と表記される。

Swine は Pig と同様、豚の意。この大会は豚を象徴した大会。

なぜならばシンシナティは米国内で豚の生産トップであった。

Porkopolis というニックネームもついており、-opolis はCity という意味。

町のあちこちに豚の像が据えられている。

 

シンシナティには多数のクラフトビール工場があり、多種のビールが販売されている。

キリンとアサヒが主流の日本とは異なる。

 

シンシナティには、2003年に国立地下鉄道と自由記念館が建設された。

これは人種にかかわる悲しい歴史の記念館である。

南北戦争以前、北部の自由州と南部の奴隷の多い州に分かれていた。

奴隷たちは自由を求めて、オハイオ川を渡り越境しようとした。

橋を渡る者は警察につかまり、川を泳いで渡る者はスレイブキャッチャーに川岸で捕捉された。

この地下鉄道は実際の鉄道ではなく、奴隷の多い州から自由の州への秘密の脱出ルートを意味する。

 

シンシナティには黒人が多い。1995年には15人の黒人が警察官に射殺され、また2001年には

武器を持たない19歳の黒人が警察官に射殺された事件が起き、大規模な暴動が起きた。

 

シンシナティ動物園は米国一との評価がある。

誤って幼児がゴリラの囲いの中に落ち、その幼児の安全を確保するためハランベというゴリラが銃殺されると

いう悲しい事件があった。

夜間は美しいイルミネーションで飾られる。

 

講演のあとのQ＆Aでも色々と興味深い、面白い話をしてくださいました。

日本語の勉強に村上春樹の本を読む。英語の勉強にはヘミングウエイの短編が良い。

日本人は多くが、アニメ、ゲームおたくかと思っていたが、そうでもない。自分はゲームおたくだ。

はんこ文化にはびっくり。

ハンバーガーの注文時「ノーオニオン」と言ったら、店員が対応を協議をしていた。米国では全く普通のこと。

 

マットさん、講演、Q＆Aありがとうございました。

（文責　人材育成部会　ボランティア　中野一男）